普通自動車免許にはミッション車とオートマチック車の両方が運転できる普通免許(MT免許)と オートマチック車限定のAT限定免許(AT免許)があります。
MT免許とAT免許のどちらにするかを迷っているのであればAT免許をおすすめします。
結論から言ってしまえば、 とりあえずAT免許を取っておいて必要になったら最短3日教習所に通うだけでMT免許は取得できます。
MTで後悔している教習生は少なくない
MTで後悔する理由
技能教習が始まってから「ATにしておけばよかった」と嘆いている教習生が少なからずおられます。
特に男性には「男ならMT」という考えを漠然と持っている方がまだまだ多くおられます。 また男女を問わず教習生本人は「ATでもイイかな」と考えていても 親御さんから「MTにしておきなさい」と勧められてMTを選択されることがあります。
そのような教習生に共通しているのは、MT教習に対してのモチベーションが保ちにくいことです。
MT車はAT車と比較して操作が難しく訓練が必要です。 言い換えれば挫折してしまう可能性がATよりも多いのです。
ATをおすすめする理由
MTは操作が難しい
MT車には「クラッチ」という装置があります。このクラッチ操作がMT車を運転する醍醐味である 一方でMT車の操作を難しくしている原因なのです。
MTの場合、 第1段階の技能教習のクラッチ操作が原因で教習時間が延長になることが少なくありません。
意外なのがスポーツが得意な人でも運転になかなか馴染めない人が少なくないことです。 高校野球のレギュラー選手でサードで4番バッターの方や サッカーのフォワードの方がクラッチ操作で苦戦しているなどはよくあることです。
日本の普通自動車の98%以上がAT車
日本のAT普及率は98.5%を超えています。 ちなみにヨーロッパではAT普及率の高いドイツでも23%程度です。
ですから日本ではMT免許を持っているのにMT車を運転する機会など全く無いというのが普通です。 教習所を卒業してからMT車を運転せずに1年も経ってしまうと操作を忘れてしまいます。 正に「宝の持ち腐れ」ですね。
就職でも特にMTが必要とされる仕事以外ではAT免許がハンデになることはありません。 後でお話する「MT免許をおすすめする人」以外はAT免許で十分だと言えるでしょう。
免許取得費用が安い
教習時間はMTよりもATの方が3時間少ないので費用も1~2万円安く設定されています。
自信のない方の多くが入所時に延長教習費用免除のオプションを選択されますが 、2万円程の増額になってしまいます。
MTに不安を感じてオプションを付ければATと比較して3~4万円高くなる計算です。
AT限定解除という方法がある
冒頭でも書きましたが、AT免許さえ取っておけば最短3日でMT免許に変更することができます。
さし当たってMTが必要でなければATで簡単に免許を取っておく。 その後AT車での運転に慣れた頃に、やっぱりMTが必要になれば限定解除する。 というのが現実に合っているでしょう。
私の主観ですが、MTへの限定解除をされる方は、AT免許取得者500人のうち1人以下です。 実際にMTかATかを迷った結果ATを取得した方のうち限定解除に来られた方は皆無です。
限定解除にかかる費用は6万円程です。500分の1以下の可能性に6万円は少々高すぎると思われませんか?
あえてMT免許をおすすめする人
とは言っても何が何でもAT免許を取得してからMTにするべきだというのではありません。 次のような方は是非ともMT免許にチャレンジしていただきたいと思います。
MTを運転することに憧れがある
自動車は単なる移動手段ではありません。 運転することそのものを楽しむことが大切です。
MT車には「自分が自動車を掌握して走らせている」という醍醐味があります。
「好きこそものの上手なれ」と言われます。是非MT車にチャレンジしてください。
農業や酪農や建築業に従事する
業種によっては軽トラックなどを運転しなければならないことがあります。
軽トラックはまだまだMT車が主流です。 一番の理由は、馬力の小さな軽自動車で重い荷物を運ぶにはATでは無理があるからです。
農業やら酪農や建築業に就職する方はMT免許が必須になることが少なくありません。
将来中型免許や大型免許を取りたい
中型免許や大型免許にはAT限定はありません。
将来的にこれらの免許を取る可能性がある方は最初からMT免許を取得してください。
海外で運転する可能性が高い
海外ではAT車の普及率が高くありません。
就職後に海外勤務や出張などの可能性がある方はMTの運転を身に着けておくことをお薦めします。
まとめ
昭和の中頃ならMT以外の選択肢はありませんでした。でも現在ではAT免許があります。
そのうえ日本はAT車の普及率が98%を超えているのです。
MTとATで迷っているということは、MTが必要な状況では無いということでしょう。
この先必要になる可能性が低いMT免許に余分なお金と労力をかけるのは賢い選択とは言えません。
MT免許にこだわる必要がないのであればAT免許を選択するのが今流ではないでしょうか。
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